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【雷神ステージ】西川貴教

2023.10.09 (月)

開催月を9月から10月へと移し、4年ぶりに通常スタイルでの実施となった「イナズマロックフェス2023」。

事前の天気予報では2日目以降の天候が90%近い降水確率と出ており懸念される部分ではあったが、各出演アーティストそしてイナズマを愛するオーディエンスたちはこのフェスを最大限に楽しみ成功させるべく万全の雨対策を行った上で烏丸半島へと集結していた。この日は冷たい雨が降り注ぐ時間帯もあったものの、時には晴れ間がのぞき夕方になるとすでに雨は上がっていた。

大きな愛に支えられながら夢を叶えたAぇ! Groupのステージ。その熱気と余韻が未だに残る中、左右の大型モニターに“THE FINAL ARTIST・西川貴教”と表示されると、割れんばかりの天を突くような大歓声が上がる。

“西川貴教”はT.M.Revolutionとしての活動、そしてabingdon boys schoolというバンド編成と並行して、2018年より本格始動したソロ名義のプロジェクト。様々なアーティストによる楽曲提供やコラボレーションを行っているほか、フェスへの参加なども行い、自由度の高い活動を行っている。

神秘的な照明の中、OPENING SEとして2019年リリースの1stアルバム収録の「SINGularity」が流れると、まずはこの日のバンドメンバー・DJのYAMATO、ギターのGAK、ベースの茶渡、ドラムのHirokiが姿を現し、ステージ前方まで来て大きくアピール。会場の期待感は極限まで高まっていく。

薄暗い光の中で現れた西川。一言も発することなく静かに会場を見つめている。SEから切れることなく披露された1曲目は今年4月にリリースされた6thシングル「Never Say Never」。

哀愁に満ちた旋律と、焦燥感を煽るスリリングな演奏、切々と歌い上げるエモーショナルなボーカルが魅力のナンバー。西川の真剣な表情からこの瞬間、このステージに懸ける想いが強く伝わってくる。

「イナズマロックフェス、奇跡の3日間!ここで2体のモンスターを召喚しよう!So and Minami!」

そう叫んで始まったのは「Be Affectted」。この曲は作詞・作曲・編曲をFear, and Loathing in Las Vegasが手掛けた西川貴教のオリジナル曲であり、ラスベガスにとってもバンド史上初めてとなる楽曲提供。これまで僅か数回だけLIVEでの共演が行われているが、今年のイナズマでもコラボが実現した。炎の柱が上がる中、3人は広いステージ上を駆け回りながら激しいパフォーマンスを展開。Minamiの強烈なシャウトとSoと西川による変幻自在なツインボーカルが炸裂していく。

そのまま3曲目は「BREACH」へと怒涛の勢いで流れていく。ドラマチックな展開の欧州に会場の熱も否応なしに高まっていく。


その後、間髪入れず始まったのは2020年に西川貴教+ASCA名義でリリースしたコラボ楽曲「天秤 -Libra-」。イントロで西川が「ここで魔導士を召喚しようか…ASCA!」と叫ぶと、白いドレスに身を包んだASCAが登場。ハイテンポのBPMの中、美しく繊細に交差しながら絡み合うボーカルは、ただただ圧巻。霧のようになった雨上がりの蒸気がライトを複雑に反射し、より幻想的なムードを演出していく。

演奏後のMCでは、また自分の力でこのステージに戻ってくることを約束するASCA。会場からは、あたたかい拍手が送られる。

「雨の中待ってくれた皆さん、本当にありがとうございます。去年は中止となってしまった3日目を今年は叶えることができました。イナズマロックフェス、15周年を迎えることができました。本当にありがとうございます。こんなあったかいフェス、他にないと思います!」

会場への心からの感謝を伝えていく西川。

「こんな素晴らしいフェスの最後をソロの“西川貴教”が務めるのは時期尚早だと、僕自身は今も思っています。でも、こういう時、ここってタイミングで助けに来てくれる奴がいる。19の時からツレで30年以上いろんな修羅場をくぐってきた、俺にとっての大切な仲間…LUNA SEAから
…J!」

エマージェンシーを知らせるようなSEの中、「ゼロワンゼロワン…」とコーラスが鳴り出し、ステージにベースを掲げてJが登場。「いけるかイナズマ―!」と叫ぶとそのまま「REAL×EYEZ」へなだれ込む。2020年にコロナ禍の中で、J×Takanori Nishikawaとしてリリースされた『仮面ライダーゼロワン』の主題歌だが、2人でLIVE演奏されたのはごくごく限られた回数のみ。現実を超えた奇跡のような光景が目の前に広がっている。楽曲中盤で交互に歌われる「君の声が 君の夢が…」というパートでは胸がさらに熱くなる。

演奏後、Jが語る。

「俺たち本当に10代からのバンド仲間で。LUNA SEAってバンドが東京から小さい車で関西までツアーに来た時とか、西川がバンドのみんなにいろいろ教えてくれたりね。寝る場所も飯もなかった時に助けてもらった。そんな盟友が15年もこのイベントを守り続けてきた。」

「実はLUNA SEAも駆け付けたいなと思って…(いつもやる日程にオファーが)来るか来るかと空けてたんです。そしたら…10月に移動したと聞いて(笑)10月は俺たちもツアーがあるからバンドでは来れなかったけど、メンバーも西川によろしく伝えてと言ってました」

Jとのやり取りを笑顔で聞いていた西川は「本当にありがとう。いろんな節目のタイミングとかで、助け合ったり確認し合ったりしてきた関係だし、同い年の同級生でもある。この間リハで喋っていたらJに『(10代で会ったのに)今、俺たち2人の年齢を足したら100歳超えてる!』みたいなことを言っていて… (笑)。でもそういう関係が本当に嬉しい。この場所で2人でやりたい曲がもう1曲あるので、聞いてもらっていいですか!?」

そんなやり取り続いて始まったのは、同じくJ×Takanori Nishikawa名義でリリースされたミディアムナンバー「Another day break」。静かながら確かに熱い情熱を感じさせるメロディが会場全体を優しく包みこんでいく中、本編が終了した。

僅かなインターバルを経て西川が登場しJを呼び込む。「本当に、あの時の俺たちが30年後、こんな場所でこんなことになっているなんて想像できなかった。来てくれて本当にありがとう!」と語りかけると、「どんだけ時間が経っても俺たちの当時の熱っていうのは変わらないし、なんか西川が困ったことがあったら、俺はなんでもやるから。いつでも声かけてください」とJも応え、「(今回のイナズマに限らず)俺たち2人が理解していることは…夢は叶うってこと。いつかやろうと言っていたこともこうやってできた。イナズマロックフェス、15周年おめでとう!」と祝福。会場からも熱い拍手が贈られた。

そのままアンコール1曲目は「A.I. ∴ All Imagination」へ。『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』の主題歌であり、J×Takanori Nishikawaというユニットの3部作を締めくくるナンバーでもあるが、10代の頃から想像し思い描いてきた夢を実現させた2人が、この瞬間に演奏するのに最もふさわしい特別な1曲にも感じる。
お巨大な余韻の中、西川は「最後は今日出てくれたみんなと、もう1曲!」と叫ぶNovelbright、モーニング娘。’23、So、Aぇ! groupを呼び込み「Lakers」へ。これまでのイナズマロックフェスでもテーマソングのように演奏されてきた1曲である。

順番にボーカルパートを回しつつ西川も移動しながら各出演者とハイタッチや肩を組むなどステージ上で交流していく。そしてギターソロは「イナズマロックフェス」をきっかけに音楽の道を志したというNovelbrightの沖聡次郎が担当。一音一音を大切に噛み締めながら心を込めて弾いているのが伝わってくる。

全ての演奏を終えると笑顔を浮かべながら「また会おうぜ!」と叫んだ西川。シンプルながらこの言葉が未来を明るく灯す希望になっているのは言うまでもない。

4年ぶりの通常開催となった「イナズマロックフェス2023」。たくさんの夢が集結し実を結んだ3日間が無事に終了した。








【SET LIST】

1 Never Say Never
2 Be Affectted(with So, Minami from Fear, and Loathing in Las Vegas)
3 BREACH
4 天秤 -Libra-(with ASCA)
5 REAL×EYEZ(with J)
6 Another day break(with J)

EN1 A.I. ∴ All Imagination (with J)
EN2 Lakers(with J,Novelbright,モーニング娘。’23、So、Aぇ! group)and BOYS AND MEN