【雷神ステージ】モーニング娘。’23

続いてのACTは、モーニング娘。’23。

昨年2022年も出演が予定されていたが、台風の影響で出演予定日だったDay3が中止に。今回は1年越しで実現であり、待望のパフォーマンスである。

昨年9月から先月までの25周年イヤーを迎えた彼女たち。様々な時期の楽曲と歴史を継続的に受け継ぎながらも常にメンバーの卒業と加入を繰り返しながら“updated”し続ける、世界の点たテインメント界でも前例のない様式を作り上げてきたグループであり、国内外にファンを持つほか、その人気、功績、影響力は、多くのアイドル同業者、音楽関係者、さらにジャンルを越えた表現者たちにも多くの愛好家を持つ。

現在のモーニング娘。’23のメンバーは、譜久村聖、生田衣梨奈、石田亜佑美、小田さくら、野中美希、牧野真莉愛、羽賀朱音、横山玲奈、北川莉央、岡村ほまれ、山﨑愛生、櫻井梨央、井上春華、弓桁朱琴という14名体制。2011年に加入しグループ在籍期間・リーダー歴ともに歴代最長となった譜久村は、11月28日・29日に行われる横浜アリーナ公演での卒業が発表されており、フェス出演はこの「イナズマロックフェス」が最後となる。

1曲目は2006年発売『レインボー7』収録の「HOW DO YOU LIKE JAPAN?〜日本はどんな感じでっか?〜」。ヒップホップテイストな強いビートの上で海外に向けた日本文化をテーマにしたラップが乗るLIVE映えする楽曲。

2曲目は10月25日発売の最新シングルの中から「すっごいFEVER！」だ。つんく♂が作詞・作曲を手掛けた「これぞモーニング娘。」と言いたくなるような個性を持ったファンクナンバーであり、9期メンバー譜久村聖にとっては最後となるシングルである。曲中にこれでもかとばかりに挿入される“すっごい”というフレーズは、ただただ強烈。ファンはもちろん初めて聴く層にも伝わる楽しい魅力が満載で、どんなフェスでも最高に盛り上がり必至である。

3曲目は「One・Two・Three(23 Ver.)」。2012年リリースの50枚目のシングルであり、
モーニング娘。流のEDMサウンドを打ち出し、新たなフェーズへの進化と人気を開拓した大名曲である。続く「Help me！（updated）」もほぼ同時に発表された楽曲だが、曲間に多用されるメンバーのエディットされたセリフと独自のサウンドの融合、そして彼女たちの代名詞の一つとなった緻密に計算されたフォーメンション・ダンスに目を奪われる。

5曲目は再び10月25日発売の最新シングルの中から「Wake-up Call 目覚めるとき」。80sライクなシンセ・フレーズ、各メンバーの個性を際立たせたダンス、印象的なメロディーと高速ラップパート、そしてひたすら楽しいムード。彼女たちの魅力が怒涛の濃さで詰めこまれた新たなキラーチューンの誕生だ。

続く「わがまま 気のまま 愛のジョーク(23 Ver.)」、「What is LOVE？(23 Ver.) 」も現在の彼女たちの代表曲と言えるナンバー。ファンの間で深く愛されている楽曲ではあるが、この日初めて目にした人こそ、この2曲には大きな衝撃を受けたはずだ。

ラストナンバーはスカビートとラインダンスに胸が躍る「まじですかスカ！」。この曲は2011年発表のシングルで9期メンバーである譜久村聖と生田衣梨奈が加入したあと初めてのシングルである。初出演となる「イナズマロックフェス」でこうした記念すべき1曲が選曲されていることにも特別な意味を感じる。

ちなみに、この日のセットリストの中に90年代後期から00年代に社会現象を巻き起こした時期のスーパーヒットは含まれていなかったが、現在進行形の彼女たちのパフォーマンスを体感して物足りなさを覚えた人はいなかったはず。そしてどんな楽曲で組んでも最強のセットリストになる驚異的なグループであることを証明したように思う。

また、残念ながらこの日は5月に加入した17期メンバーのひとり、弓桁朱琴がインフルエンザのために出演ができなくなってしまったわけだが、ライブ翌日に主催者の西川貴教はX（旧・Twitter）で「全員揃うまで2023年のイナズマは終わってないよね？待ってます！」とエールと感謝を送っていた。（そうなってくれることを、誰もが“すっごい”楽しみにしています）

【SET LIST】

1 HOW DO YOU LIKE JAPAN?〜日本はどんな感じでっか?〜
2 すっごいFEVER！
3 One・Two・Three(23 Ver.)
4 Help me！！（updated）
5 Wake-up Call 目覚めるとき
6 わがまま 気のまま 愛のジョーク(23 Ver.)
7 What is LOVE？(23 Ver.)
8 まじですかスカ！