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【雷神ステージ】T.M.Revolution

2023.10.08 (日)

記念すべき15回目を迎えた「イナズマロック フェス2023」。DAY2のトリを務めるのはT.M.Revolution。13時頃から降り出した雨は、時間を追うごとに強まり気温も急激に低下。開演時間になっても止む気配はなかったが、T.M.R.のライブを待ちわびるファンで会場は埋め尽くされていた。

18:10 ターボーコールがこだまするなかT.M.R.が登場したのは雷神ステージではなく、なんとステージ上手の遥か彼方、バックヤードと芝生広場を仕切るカーテンの奥から選挙カーでの登場となった。

今年5月まで続いた「T.M.R.LIVE REVOLUTION`22-`23-VOTE JAPAN-」では何度か見られたオリジナルの選挙カー。まさかイナズマでこんなサプライズ演出が見られるとは誰も予想もしていなかっただろう。想像を遥かに超えてくるT.M.R.らしいサプライズに、どよめきと興奮が目まぐるしく交錯するなか「Out Of Orbit~Triple ZERO~」で幕開け。「滋賀を愛し、滋賀と共に歩んできた15年間」を噛み締めながら、大胆にアレンジされたサウンドと共に、拡声器を象ったマイクで会場を煽る。


イントロから高速の低音が激しく心を揺さぶる「魔弾~Der Freishutz~」では、記念すべき15回目を迎えたイナズマのステージに懸ける西川の思いが、沸々と煮えたぎっているかのように何度もステージから炎があがり、イナズマを興奮へと導く。

“この場所、この雨に、もっと相応しい曲を”と呟き始まったのは「THUNDERBIRD」。琵琶湖を背に、シトシトと雨が降る雷神ステージでの「THUNDERBIRD」は世界観たっぷり。一言一句、噛み締めながら歌い上げ、会場の視線を一気に引き付けた。

“いかがですか?雨のイナズマは?この雨空で、寒いなか残ってくださりありがとうございます””今年は、台風に悩まされることはないと思っていたんですが、みんなの汗と想いが雲になっています。降ってくるのは、みんなの涙です。だよな?”

“15年前、この同じ場所で、たった12組のバンドと、たった5組のパフォーマーで立ち上げたイベントが、3つのステージに広がり、150組が、この小さな半島に集まってくれています。ありがとうございます‼”

“つないできた思いが、この草津市でマンホールになって、町のあちこちに、イナズマの痕跡が残ってくれています。一昨日、それ見て回っていたんです。そしたら急に声かけてくれる奴がいて、なんだろうなと思ったら、そのマンホールを施工してくれた業者のみなさんでした。その中に、30年前、一緒に大阪のライブハウスに出ていた奴がいました。そいつが嬉しそうに”このマンホール俺が作ってんねん”言ってくれてるんですよ。これどういうことかわかるか―⁉”

“ここには、向こう(フリーエリア)にもステージがあって、そこに夢持ってきてくれてるんですよ。みんなもそうでしょ⁉俺はその想いの上に立っているんですよ‼そうだろイナズマ―⁉夢は叶えるもんだって言われてます。だったら、ここをそうしようって。イケるかイナズマこいよぉ―⁉”

この15年間、イナズマを通じて抱いた思いを、会場にいるすべての人間と共有するかのように問いかける西川。「イナズマロック フェス」に夢を抱き、その舞台で夢を叶える人間に出会うことが何よりも嬉しく、それこそがこのイベントの存在意義を示すのかもしれない。

「HIGH PRESSURE」では、明石家さんまさんのモノマネでおなじみ、ほいけんたさんがサプライズで登場‼今年7月、フジテレビ系の特番『FNS27時間テレビ』の番組内で行われた『FNS鬼レンチャン歌謡祭』で、T.M.Revolution×ほいけんたによるコラボ歌唱が話題を呼び、それが縁で出演する運びとなった。

もちろんほいけんたは、「HIGH PRESSURE」の「カラダぐぅ」のネタを披露し会場を爆笑の渦に巻き込み、なんとか無事に西川とコラボを完遂。歌唱後に西川から「師匠、歌い出す前に歯外すの忘れてたでしょう?笑」とツッコまれ、さらに笑いを誘っていた。爆笑と興奮が冷めやらぬなか「HOT LIMIT」「WHITE BREATH」で畳みかけ、あっという間に本編終了。一声入魂、曲を重ねるごとにゾーンに入っていくさまはあまりにも壮絶で美しかった。まだまだターボコールが鳴り止まずアンコールに登場した西川は再びマイクをとる。


“今日出演してくれたすべてのみんなが、この場所に夢を持って来てるって言ってくれました。そんな場所にしてくれているのは、ここに集まってくれたみなさんです、ありがとうございます”

“この雷神ステージ以外に、風神や龍神があるフリーエリアで、この町のお祭りに参加してくれているすべてのみんなと、この気持ちを、ぜひ分かち合いたいと思っています。それが、それこそがイナズマだと思っています、ありがとうございます”

15年間、イナズマに関わってくれたすべての人への感謝の気持ち、そして何より悪天候のなか、最後まで残ってくれたオーディエンスと15周年を迎えた嬉しさを直に分かち合う。

“15年前に、うちの母ちゃんが病気して、おふくろの顔が見たいと思って、滋賀に変える口実に、このイベントを作りました。最初は、ちょっぴり後ろめたい気持ちがありましたが、町のため、人のためとか言ってるけど、本当は、俺の母ちゃんのためだけでした。そして今年、おふくろの七回忌が終わりました。今年の締めだと思って、母ちゃんに見せたかった、俺の誕生日じゃなくて、10月に開催を移して、一発目がこれです。この先、みんなに心配かけるかもしれないけど、こんな俺でも、まだまだこの場所で歌ってもいいすかぁー⁉”

 

アンコール曲は西川もファンも思い入れが深い「HEART OF SWORD~夜明け前~」。ちょうどそのタイミングで雨がほぼ止むドラマチックな展開に。しかし演奏に突入するといろんな思いがこみ上げ涙で声が出せずにいる西川。ただただ立ち尽くしながら目の前の景色を見つめ、イナズマを支え続ける会場のみんなが西川の代わりに歌う感動のシーンを生み出した。

”誰かのために生きる それが西川貴教だ!”

立ち会った人々の心に深く刻む濃密な時間はあっという間に過ぎ、観客と演者はいつまでも熱を帯びたままDAY2が無事終了した。

<SET LIST>
1.Out Of Orbit~Triple ZERO~
2.魔弾~Der Freishutz~
3.THUNDERBIRD
4.LEVEL4
5.HIGH PRESSURE
6.HOT LIMIT
7.WHITE BREATH

アンコール
1.HEART OF SWORD~夜明け前~