「今日ここに来るはずだったGRANRODEOの分まで暴れさせてもらいます。」

冒頭のMCでそう語った西川。実は当初DAY2のこの時間は、GRANRODEOの出演が予定されていた。しかし数日前に行われたライブ中にボーカルのKISHOWがアキレス腱を断裂し、治療のためしばらくライブ活動は行えない事態が発生する。この止む無き事情から開催から1週間を切ったタイミングで出演キャンセルに。代わりとしてDAY1に続いて西川貴教がステージに立つことが発表された。

「急遽22日出演予定だったGRANRODEOの代わりに西川貴教が出演することになりました。ライブ中の不慮の事故ですし、KISHOWくんの１日も早い快復をお祈り申し上げます。もうここまで来ると何があっても不思議じゃないです(笑)今年は本当にいろんなことがありました。でも全てに意味があると信じ進みます。」

「手っ取り早く西川が出る感じに見えてるかもですが、開催５日前で出演交渉するなど言語道断ですし、そんな責任を他のアーティストさんに背負わせる訳にいきません。TNNKメンバーやスタッフがスケジュールを調整してくれました。機材も調達出来ました。これって何気に奇跡なんです。仲間に感謝です。」

自身のSNSでそう発信していた西川。ケガをしたKISHOWにも「久々のイナズマで会えるの楽しみにしてたのに… でも、怪我は仕方ない！本気でやってる証拠だし！とにかく今は１日も早くよくなって、またイナズマに帰ってきて、倍返しで盛り上げてよ！待ってます！」とエールを送っていた。

そうした経緯もあってかこの日の西川貴教のステージには特別な何かが宿っていた。持ち時間はわずか30分。セットリストもDAY1と同様の内容である。しかし確実に、間違いなく特別な何かを感じる時間。この瞬間でなけれれば味わえない感動をオーディエンスは実感したはずだ。

「本当ならデビュー2年目じゃ絶対にこの場所には簡単に立てない。今回のことはチャンスをもらったんだとおも思っています。GRANRODEOは必ず治してこの場所にやって来てくれる思うので、僕はその日の為にこのイナズマを守っていきます。」

そう力強く宣言した西川。

11年目の「イナズマロック フェス」。またひとつ繋いでいくべき大切なストーリーが生まれた。

◆SET LIST◆

1.Roll the Dice

2.HIS/STORY

3.Be Affected

4.UNBROKEN
5.BIRI×BIRI
6.crecent cutlass