今まさに怒涛の勢いで快進撃を続けているBiSH。
アイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチ、モモコグミカンパニー、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・D という個性豊かな6人組だ。
かつて「全裸PV」などで“お騒がせアイドル”として話題となったBiSの過激なコンセプトを再起動させる形で、2015年に「新生クソアイドル」というキャッチコピーで活動をスタート。
当初は奇をてらった戦略で話題を集めることが多かったが、すぐさま抜群にハイクオリティーな楽曲やメンバーの歌唱力、キャラクター性に評価が集まり、短期間でシーンの注目の存在となる。
実は西川貴教とはインディーズ時代にニコニコ生放送の「イエノミ!!」で共演。
その際西川は「BiSもそうだったけど、この人達は残念なくらい曲が良い」と絶賛しており、今回の「イナズマロック フェス」は待望の出演となる。
2016年3月、メジャーデビューのタイミングで「楽器を持たないパンクバンド」とコンセプトを改め、よりアグレッシブな活動を展開。
現在、音楽シーンを最も掻き回す勢いを持った存在となっている。
この日1曲目に披露されたのは、「ぴらぴろ」。
モモコグミカンパニーによる意味不明なサビの歌詞と、左右に手を振るダンスは一瞬で記憶に残る中毒性を持つ。
「イナズマロック、始めますか~!」そう叫ぶと続けざまに「MONSTERS」へ。
アイナ・ジ・エンドの力強いハスキーボイスとザクザクと刻むヘビーなリフが印象的な楽曲。ハシヤスメ・アツコの煽りも鬼気迫る勢い。
続いてアユニ・Dが「イナズマロック フェスのみなさん、BiSHと一緒に踊りましょう!」とMCを行うと、ミディアムテンポで抜群のキャッチ―さを持つポップチューン「DA DANCE!!」へ。
初めての出演となる「イナズマロック フェス」だが、シングル曲ではなく活動初期からのライブ定番曲で固めたセットリストになっているのも実に彼女たちらしい。
中盤では、BiSHの名を世に知らしめた1曲といえる名曲、「プロミスザスタ―」を披露。
切ないメロディーとピアノの音色が広々とした空間に響き渡る。
この曲はアイナとチッチを中心としつつも、メンバーの歌声のタイプの違いが楽しめる1曲でもある。
「イナズマロック フェス 2018」10周年の今年に出られて本当に嬉しいです!
どこに住んでいても嫌なことたくさんあるけど、生きて息していきましょう!」
チッチのMCに導かれて「beautifulさ」へ。
生きづらさを“トゲトゲの日”と表現するリンリンのワードセンスも抜群な、明日に向かって進む勇気をくれる1曲。
タイアップ曲でもシングル曲でもないが、BiSHのライブには欠かせない人気の1曲となっている。
最後の曲「BiSH-星が瞬く夜に-」では、BiSHのパンクな魅力が一気に開花する。
歌い出しのブレイクで唐突に「西川さぁ~~ん!」とシャウトするモモコグミカンパニー。
彼女の不思議な存在感もBiSHの重要な魅力の一つだ。
最後はセントチヒロ・チッチが「このあともイナズマロック フェス楽しんでいってください!ありがとうございました!」と叫び、イナズマ初めてのステージを終えた。
アイナ・ジ・エンドとセントチヒロ・チッチ、アユニ・Dの「PEDRO」など近頃はメンバーのソロ活動も話題となっているが、BiSHとしては今年の12月22日に、グループ史上最大規模となる千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールでのワンマンライブを開催。
さらに冬にはメジャー5枚目となるニューシングルのリリースが決定している。
楽器を持たないパンクバンド・BiSH。
今後も音楽業界の常識や枠を次々とぶち壊しながら、すべての音楽ファンを誰も観たことのなかった場所へと連れて行ってくれるはずだ。
【SET LIST】
1. ぴらぴろ
2. MONSTERS
3. DA DANCE!!
4. プロミスザスタ―
5. beautifulさ
6. BiSH-星が瞬く夜に-