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【DAY2・雷神ステージ】T.M.Revolution

2022.09.20 (火)

「イナズマロックフェス 2022」、最後のアクトはT.M.Revolutionだ。本来はDAY2のトリの予定だったが、数日前に発生した台風14号の接近。そしてそれに伴う交通機関の運転取り止めが発表されたため、予定していたDAY3が中止に。急遽この日が最終日となった。短い映像のあとにSEが流れ出すと会場からは割れんばかりの手拍子が。公演中、すでにオーディエンスにもDAY3中止の情報が知らされているが、悲しさや悔しさ以上に今この瞬間を楽しもうという想いが伝わってくる。

1曲目は2016年リリースの「Inherit the Force」。イントロのギターフレーズから一気に畳みかける。楽曲最後のコーラス部分をオーディエンスが歌うのがこの曲のハイライトの一つであるが、この日は皆、こぶしを掲げてステージへと熱い気持ちを送っている。アウトロからそのまま流れるように「Naked arms」へ。この曲は2009年「イナズマロック フェス」で初披露された楽曲であり、特別な思い入れを持つファンも多いはず。力強いメロディを高らかに歌い上げる西川のボーカルには一切の迷いも感じられない。


「欲しいものはすべてここにある。みんなが持ってきてくれる。世界中探したってどこにもない。ここにしかないもの。それがイナズマロックフェスだ!」というMCのあとには「LEVEL4」、「HIGH PRESSURE」、「HOT LIMIT」、「WHITE BREATH」とT.M.R.が誇るキラーチューンを痛快なまでに連発。2021年5月13日、デビュー記念日から始まった25周年ツアー『T.M.R. LIVE REVOLUTION’21 – VOTE -』では、数々の名曲が演奏されているが、王道と異端が常に同居するのがT.M.R.の真骨頂。原曲のエッセンスや核となる部分をしっかり残しつつ、よりヘヴィで極端なサウンドにアップデート。ロックの激しさとグルーヴ、クラブミュージックの高揚感を絶妙に融合させたArrangeとなっている。すでにツアーに参加している熱心なファンはもちろん、イナズマの地でようやく最新型に触れたファン。そして初めて触れた人にまで、T.M.R.の「フェスでもワンマンライブと変わらない攻めの姿勢」に驚かされたはずだ。

「残念なお知らせをしてしまいましたが、これつまり、続けろってことだと思っているんで。これから1年しっかり準備して、この雪辱はこの場所でしっかり晴らしたいと思います。もしよかったら是非、お集まりください!初めて来た人も、ずっと来てるよって人も、もう仲間なんで…」そんなMCの途中で突然、強い雨が降り出したが、西川は「最高の演出」と全く動じる様子がない。

「イナズマはいろんなことで呪われているなんて言われることもあります。いろんな情報を見ていろんなことを思う人も多いと思いますが、一度この場所にこれば、ここがどんな場所で、どんな風に出来ていて、そこに集まる人たちがどんな風に繋がっているのかきっとわかってもらえると思います。何もないところから初めて、今このイナズマがあります。もう自分の手に負えないモノになっているかもしれないけど、離してしまったらそれまでです。…繋げていきます!」

演奏されたのは「HEART OF SWORD 〜夜明け前〜」。T.M.R.を世に知らしめた楽曲でもあり、これまでの活動の歴史の重要な場面で何度も演奏されてきたマスターピースと言える1曲。ライブアレンジだけ歌う西川の細かいヴォーカルのニュアンスまで脳裏に焼き付いているファンも多いはずだ。最高の切なさと余韻を残して本編が終了。気が付けば雨は上がっていた。

【ENCORE】

再び登場した西川は「天気での中止はやっぱり悔しい!」と残念な思い吐露するが、すぐに笑顔に切り替え「…けど、参加してくれるすべての皆さんが安心して参加できればければ意味がない。来年改めてよろしくお願いします!もう湿っぽい話題はこれくらいにします!こっからもうちょっとだけ盛り上がってもいいですか!ご紹介しましょう!仲村宗悟~!!」と絶叫。

登場したのは、先ほど雷神ステージに登場していたアイドルマスターSideMから仲村宗悟さん(天道輝役)。披露された楽曲は、SideM内の3人組ユニットDRAMATIC STARSの楽曲「DRAMATIC NONFICTION」だ。2019年に東京ドームで行われた「バンダイナムコエンターテインメントフェスティバル」で一度だけ披露されている奇跡のコラボだが、3年ぶり現地開催のイナズマでとっておきのサプライズとして再び実現した。

古き良き歌謡曲を感じさせる哀愁のあるメロディアスな楽曲に、仲村さんの艶やかな美声、そしてT.M.R.では聴くことのできない西川の歌声が新鮮に絡み合う。イナズマのオーディエンス、そして会場に残ったPの皆様の歓喜が伝わってくる。「最初に出てからこのためにずっと待っててくれました!ありがとう!仲村宗悟~!」と感謝を伝える西川。中村さんも「ありがとう!315(サイコー)の思い出になりましたー!」と満面の笑顔で応え、軽やかにステージを後にした。

最後は「本当は明日やる予定だったこの曲を!明日来るはずだったみんなの分も、心の声で歌ってくれ!」と叫び 「Lakers」へ。まさに「イナズマロックフェス」のテーマソングとも言えるこの曲。未だ観客は声を出せない状況ではあるものの、歌声と楽曲が持つ歴史とメッセージがより深く心に響き、心地よい風と共に会場を一つにした。

DAY2の天候は朝から雨が降ったり止んだりの繰り返し。地面は場所によってはぬかるんでいる場所もあり、風も瞬間的に強まることもあるものの、野外フェスの進行の妨げになるほどではなく、気温はむしろ快適に感じるほどだった。「この状況なら明日もやれるのでは…」そう思った人も多いかもしれない。しかし、全ての人の安全性を最優先した勇気ある決断。この想いを来年に向けて温め続けていきたい。

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